3PLがロボット導入する場合の課題とは

3PL(サードパーティ・ロジスティクス)が物流ロボットを導入する際には、以下のような課題が多く見られます。投資回収とシステム連携が特に大きな課題であると考えられます。

初期投資コストが非常に大きく、ROIを算出する際に「荷量の変動」「契約期間」「顧客別の要求水準」などが影響して回収見込みが難しい。 特に3PLは荷主からの委託内容が変動しやすく、投資したロボットが長期的に稼働率を維持できる保証がない。

WMS(倉庫管理システム)、WES(倉庫実行システム)とのAPI連携やデータ設計が必要となる。ロボットの制御と人作業のハイブリッド運用をどう最適化するかが難題です。

物流ロボット導入の検討手順とは?

物流ロボットの導入検討手順を表にまとめました。物流課題の明確化と現状分析が最も重要な工程となります。

Step 工程 内容
1 物流課題の明確化 現場のボトルネックや人手不足など、導入目的を整理します。
2 現状分析 ROI試算を行うために現状分析データを整備します。
① 1日出荷件数、SKU数、在庫回転率、人件費、作業時間などのデータ
② 倉庫レイアウト・作業導線、商品サイズ/重量などを把握
③ 坪効率や作業効率などのKPI
3 ロボット種類の選定 ① ACR、AGV、AMR、仕分けロボットなどから候補を選定します。
② 業務特性(ピース/ケース単位、保管密度、天井高)に合致しているか確認
4 サプライヤー比較・現地視察 見積を取得。実機デモや導入事例、保守体制・サポート品質を確認。
5 導入スコープの検討 ロボット導入範囲を決定し、導入段階(部分導入 → 全面展開)を検討。
6 ロボット・業者・導入段階を決定 業者選定と導入段階、ロボット導入・保守予算、スケジュールを確定します。
7 WMS・WES・基幹システムとの連携確認 システム要件定義と業者選定を行い、システム開発・保守予算を確定します。
8 ROI試算・投資判断 ROI試算を作成し、投資判断資料を準備。取締役会で投資判断を行います。
9 パイロット導入・検証(PoC) PoCで作業時間・精度・障害率・改善率などの変化を検証。
10 本格導入・オペレーション構築 導入後の運用フロー整備、作業員の教育を実施。
11 導入効果のモニタリング・改善 KPIをモニタリングしチューニング。ロボット台数追加やWESの最適化などを実施。

物流ロボット導入の検討テンプレート

物流ロボットを導入する手順をテンプレート化しました。

導入工程 項目 内容
①現状分析 荷主数 10社(うちEC系7社)
SKU数 10,000
出荷件数 7,000件/日(ピーク 10,000件)
作業人数 45名(平均時給 1,400円)
ボトルネック工程 ピッキング
倉庫スペース 1,000坪
WMS環境 クラウドWMS(エアロジ)
②導入目標 導入目的 効率化と人件費削減
PoC計画 3か月
導入エリア 500坪のピッキングエリア
KPI 人員10名削減、作業時間30%削減
投資予算 5年間合計
ROI目標 5年以内に初期費用回収
③候補ロボット ACF Geek+、Quicktron、Hi Robotics
④導入計画 時期 2026年6月
初期投資額 見積入手
ロボット保守料金 見積入手
システム開発費 見積入手
システム保守料金 見積入手

ロボット導入のROI回収例

当社の各種聞き取り調査では、
ROI回収期間は5~7年程度 との回答が多かった。 7年程度は見ておいた方が無難と考えられます。

ロボットソーターは、早ければ2年、通常は、5年~7年とのことです。

以下は、あるロボットメーカーのシミュレーション値です。 このケースの場合、回収までに6年間かかります。

導入前 導入後
作業者数 30人 5人
時給 1,500円 1,500円
稼働時間 7時間/日 7時間/日
稼働日 250日/年 250日/年
人件費 7,800万円/年 1,300万円/年

安全在庫|矢印

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